
ご懐妊祝いの特別お料理
「妊娠中にアワビを食べると、瞳のきれいな子が生まれる」――これは、主に伊勢志摩地方に伝わる言い伝えです。
妊娠中は生ものを控える方も多いかと存じます。そこで、前菜の生魚の代わりに、エタンセール特製のアワビ料理をご懐妊祝いの記念日会食にいかがですか。
80~90度で2~3時間(個体により調整)じっくり火を通すことで、生アワビのような弾力がありながらも、柔らかく仕上げた特別な一皿です。
鮑の記念日オプション金額
追加料金はコースにより異なります(すべて税・サービス料別)。
- デリス(10,000円)コース:+1,200~1,500円 ※
- シェフスペシャル(15,000円)コース:+0円
- おまかせ(20,000円)コース:+0円
※ アワビは時価に近い食材のため、デリスコースでの追加料金には若干の変動がございます。
※※ ブルーランチ・ブランランチでは前菜としての提供が難しいため、「アワビの温前菜」(約3,600円)として別途ご注文を承ります。
本料理は妊婦様のために考案した特別メニューですが、どなた様でもご予約可能でございます。
なお、海の状況により仕入れが左右されるため、ご予約はお電話でのみ承っております。
戌の日のあわび

古来より日本には、妊娠5か月目の戌の日に、母子の健康と安産を願う「帯祝い」という美しい風習があります。
その祝いの食材のひとつが「あわび」。
滋養に富み、生命力の象徴とされてきたこの海の恵みは、皇室の「着帯の儀」にも通じる神聖な意味を持ちます。
さらに、アワビは毎年伊勢神宮に奉納されてきた由緒ある食材。
神々が召し上がるものと同じものを、未来の命に――。
この料理には、そんな祈りを込めています。
また三重県では、帯祝いに「夫婦鮑(めおとあわび)」をいただく習慣が伝えられています。
黒アワビを雄、白アワビを雌に見立て、ふたつを揃えていただくことで、男の子でも女の子でも、目の美しい子が生まれると信じられてきました。
アワビに多く含まれるタウリンは、赤ちゃんの網膜形成を助ける栄養素とも言われ、命を慈しむ知恵と願いが込められています。
~ 命を祝う、フランス流「帯祝い」のひと皿 ~
当店では、この伝統の心を、フランス料理の技法で表現した一皿をお届けいたします。
支配人・寺井の体験
実はこの「鮑の記念日オプション」には、当店支配人・寺井の強い想いが込められています。
第一子を授かった頃、寺井は妻と馴染みの飲食店を訪れ、懐妊の報告をしました。
そのお店は、夫婦で営む温かな空気感のフレンチレストラン。
コース料理を楽しんでいる途中、ふいにシェフがふらっと店の外へ出て行かれました。
コースの進行が少し空いたものの、貸切だったこともあり、マダムとの会話が弾み、特に気には留めていませんでした。
やがてシェフが戻り、料理の続きを始め、次に出てきたのは――なんと、アワビを使った魚料理。
マダムはにっこりと微笑みながら、こう言いました。
「妊娠中にアワビを食べると、瞳のきれいな子が生まれると言いますから♪」
当時、寺井が働いていたレストランでは、生け簀でアワビを常備していたため特に不思議に思わなかったのですが、ふと気づいたのです。
「夫婦で営むレストランで、アワビを常備してるものかな?……さっきシェフが外に出たのって、もしかして?」
尋ねてみると、やはりそうでした。
なんと、わざわざその場でアワビを仕入れに行ってくれていたのです。
その心遣いがとても嬉しく、今でも忘れられない感動として心に残っています。
おかげさまで、寺井の子どもは生まれてからというもの、「おめめがくりくりだね」と、たくさんの方に声をかけていただきました。
その経験を、今度はお客様に届けたい。
そう願ってはいたものの、アワビは常に使用する食材ではなく、仕入れにも難しさがありました。
また当店には生け簀もないため、鮮度を保ったまま常備することも現実的ではありませんでした。
そのため、これまでは生ものとして避けておられる妊婦様に、たまたまアワビを仕入れられたタイミングが重なったときに限り、特製の火を通したアワビ料理をご提供し、「妊娠中にアワビを食べると…」というエピソードをお話しする――という、ごく稀な機会にとどまっていました。
ですがこのたび、シェフと支配人で何度も相談を重ね、仕入れ・調理法・ご予約方法などを工夫し、「鮑の記念日オプション」として正式にご提供できるようになりました。
赤ちゃんの誕生を願う特別な日に――
ぜひ多くの方に、あの時寺井が感じたあたたかさと感動を、料理を通して味わっていただければ嬉しく思います。


